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馬と狸と猿と駄の話

将軍15.前世

「うごっ」

「ん?」

「うごごごっ」

「どうしたの? 大丈夫?」

「おげ、おげえええ、おげええええ」

「うわ、なんだ、食中毒とか!?」

「いえ……おげ、げえええ、おげええええええ! この電柱なんです!」

「え?」

「おげええ、おげ、おげえええええ! この電柱のせいで」

「え?」

「前世を思い出しそうなんです!」

「はあああああ!?」

「この電柱は、わたしの前世と関係があると思うんです! おげええ、おげえええええ、おげええええ!」

「えええええ!?」

「おげ、おげ、おげええええ! ……いやあ、なんとか前世の記憶を封じ込めたんですよ。もう大丈夫ですから」

「はあ」

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「うごっ」

「ん?」

「うごごごっ」

「どうしたの? 大丈夫?」

「おげ、おげえええ、おげええええ」

「おいおい、またか?」

「ええ……おげ、げえええ、おげええええええ! この木なんです!」

「うん」

「おげええ、おげ、おげえええええ! この木のせいで」

「はあ」

「前世を思い出しそうなんです!」

「そうか」

「この木は、わたしの前世と関係があると思うんです! おげええ、おげえええええ、おげええええ!」

「はあ」

「おげ、おげ、おげええええ! ……いやあ、なんとか前世の記憶を封じ込めたんですよ。もう大丈夫ですから」

「はあ、まあ、うん、そうか」

「まあなんつったらいいんでしょ、わたしって、電柱とか野原にある木とか、一本だけ立ってるもの見ると、前世を思い出しそうになるんですよ。それで気持ちが悪くなるんですよ、異様に。前世に関係があると思うんですよ、どう考えても。まあ一応、それで吐いてしまうんですよ。すっきりしたので、もう大丈夫ですから安心してください」

「気持ち悪くなるのは、そんな話聞かされてる方だと思うけどね。安心もできないよね」

「はあ、そうですか」
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