電話をかける。
「こんにちは、将軍いますか」
「いま、寝てます」
「あっ、そうですか。それじゃあ、またかけ直……」
ガチャン。
「あっ」
ツーツー。
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「君の家に電話したけど、寝てるって言われて切られちゃった」
「ええ、そうなんですよ。うちは、わたしが寝てる間は電話を取りつがない決まりなんですよ」
「へえ」
「前に、私が寝てるときに電話があって、母親が起こしにきたことがあるんですよ。でも、まあなんつったらいいんでしょ、わたしは眠りを邪魔されるのが嫌いなんですよ。異様に」
「はあ」
「で、気持ちよく寝てたところを邪魔されたので、異様にいらいらして殺してやろうと思ったんですよ。で、死ね、死ね、死ね、死ねえええええって、思いきり何度も叫んでやったんですよ」
「はあ」
「母親、ひきつった顔をして扉しめたんですよ。それからは、電話きても私を起こさなくなったんですよ。眠りを邪魔されなくなったので、本当に助かるんですよ」
「はあ」
「ですから、わたしが寝てるときは、あきらめてください。わかりましたね」
「はあ」